“自信のある女性”が一番美しい。様々な道を経てコスメ業界へ【Celvokeディレクター田上陽子さん】

“自信のある女性”が一番美しい。様々な道を経てコスメ業界へ【Celvokeディレクター田上陽子さん】


世界中のナチュラル&オーガニックコスメを中心に、アロマや雑貨などが並ぶ大人気ショップ
『Cosme Kitchen」。

今回は、そのショップを運営する会社の自社ブランド
『F organics(エッフェオーガック)』
『Celvoke(セルヴォーク)』
のディレクターであり、様々な美容系メディアや雑誌にも登場する田上陽子さんにキチョnavi編集長のイワタがインタビュー!

エンターテイメント業界、PR業界など様々なキャリアを経て、オーガニックコスメブランドの立ち上げを行うという異色のキャリアを持つ田上さん。
分野は違っても、ずっと心の根っこには、一本筋の通った“なりたい女性像”ありました。

学生時代は、美容の「美」の字もなかった

イワタ「まず、今のお仕事について教えていただけますか?」

田上「スキンケア、ボディ&ヘアケアブランドの『F organics(エッフェオーガック)』と、コスメ&スキンケアブランドの『Celvoke(セルヴォーク)』の二つのブランドを担当しています。
 ディレクターという仕事は端的に言うと、もう全部ですね。
 コンセプトメイキングというゼロの部分から、お店に並ぶまでを統括しています。その間に、商品開発やプレゼン、営業、メディアへのPRから、お店の手配まで、数え切れないステップがあります」

イワタ「ええ!?全部じゃないですか!?
 そうして生み出した製品はきっと、可愛くて仕方ないですね」

田上「そうですね。もう、お母さんの気分です。笑 
 苦労を重ねて生み出した子どもたち(製品)が、店頭に並べられてお客様の手に取られているところを見ると、やっぱり感動しますね!」

イワタ「大学時代は、どのようなことを学んでいたのですか?」

田上「メディアコミュニケーションのゼミに、大学3年生から所属していました。
 アナウンサーや、メディアに関わる仕事に興味を持っている学生が多かったように思います。
 私は、音楽や映像を配信するような仕事に就きたい、と漠然と考えていました。
 その頃は、美容に関する仕事に就くなんて考えたこともなかったですね(笑)」

イワタ「なるほど。音楽や映像に興味があったのですね」

田上「はい、今でこそネットラジオは当たり前のように聞けますが、その頃はインターネットラジオが出始めで。
 ゼミでも、学生たちでコンテンツを作って、放送したり。
 学園祭では、DJ気分で音楽をかけたり、と楽しんでいました」

飾らずに自分らしく、を大事にした就職活動

イワタ「とっても楽しそう!学生時代から夢中になれることがあったのですね。
就職活動、というものに向き合った時はどんな業界を受けていたんですか?」

田上「音楽や映像に関わる仕事をしたい、という軸があったので、業界は絞っていましたね。
 ラジオ局は当時、中途採用ばかりで、受けることができたのは一社のみでした。レコード会社も、狭き門で一社くらいかな。
 あとは、カルチャー寄りのコンテンツビジネスに関わることができそうだと感じた、中小の広告代理店やベンチャー系を数社。
 大手志向ではなかったんです。大手ではない方が、比較的自由に働かせてもらえるのかなという勝手なイメージがありました。
 デニムにパンプスで颯爽と仕事をする女性が理想で(笑)、そんな環境を求めていましたね」

イワタ「就職氷河期と言われる時代でしたよね。就活で苦労したことはありますか?
 面接ではどんなことを聞かれましたか?」

田上「ある程度、的を絞っていたせいか、落ち続けて凹むということはあまりなかったんです。
 特にベンチャー企業は、フリートーク形式が多かったので、自分らしく飾らずに面接に望むことができました。
 例えば、『自分を動物を例えると何ですか?』という質問された事があって、私はとっさに、『都会に住むカメレオンです!』と答えました。好奇心が旺盛で、どんな色にも変われる。そんな柔軟性をアピールしたように思います。
 あとは、『この会社で、私はこれをやりたい!』ということを具体的に発言していたように思います。
 エントリーシートも、気合いを入れて書いてました。コラージュやイラストなんかも入れて。」

イワタ「コラージュ?そこまで凝っていたんですね!」

田上「そうなんです。企画やデザインを志望する人も多かったですし、私だけではなかったと思いますが、個性を出せるように、そして視覚的にも訴えるようなシートになるように、と一生懸命書いていたと思います。」

ファーストキャリアの音楽業界を辞めてデザイン会社へ直談判!

イワタ「それで、CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社)に入社を。」
 
田上「CCCは当時、映像配信サービス事業などを始めていました。ちょうど、Tポイントカードが出始めた頃です。最初は、店舗配属でしたね。1年ほど、DVDレンタルの店舗に勤務をしていました。
 仕事は楽しかったですが、『私は本当は何をやりたいんだろう』、『このまま店長になるの?』そんな悶々とした気持ちもありました」

イワタ「なるほど……。最初は店舗で現場の業務を学ぶという指針の会社が多いですが、社会人なりたての頃の時間って早く仕事覚えて次のステップに行きたい!と思う時期ですよね」

田上「そうなんです!ちょうどその悶々と悩んでいた頃、知り合いがデザイン会社を立ち上げるということを聞いて。会社を辞めて、そのデザイン会社の方に「入れてください!」と直談判をしたんです。
 迷いはもちろんありました。『会社を一年で辞めるって、大人としてどうなんだろう』って。
 でも、今行かなかったら後悔するかも!と、強い気持ちに突き動かされたんだと思います」

イワタ「辞めてから、直談判!ものすごい情熱ですね!」

田上「今思えば、何かを自分で生み出す仕事がしたかったんだと思います。
 その制作会社が、クリエイター集団だったんですね。WEBデザイナーもいれば音楽プロデューサーもいました。私は何も分からないけれど、それぞれの道のプロのそばで働ければ何でも吸収できる!と思えたんです。
 最初の3ヶ月くらいは、お給料もなかったような感じでしたけど、それでも、刺激的で毎日が勉強。そんな日々でした」

生み出したものを世に知らせたい!プレスという仕事の大切さを実感

イワタ「デザイン会社ではどんなお仕事を?」

田上「全員のアシスタント的なお仕事です。電話応対もしますし、音楽番組も作っていたので、ADのようなこともしました。収録中はコードを運んだり、歌手の方のために歌詞カードを持ったことも。笑
 でもある時、山形県に新しくオープンするセレクトショップの立ち上げを任されたんです。内装も、何を置くかという企画も、実際のバイイング(買い付け)までやりました。初めて自分の手で何かを作り出しているという実感があって、本当に刺激的で楽しかった」

イワタ「それはすごい……。」

田上「素晴らしい経験をさせていただけましたね。
でもそこから、また課題が生まれてきたんです。集客をどうしよう、と。
当時は今ほど、「プレス」という言葉もあまり聞かなかったですし、どうしたらもっと知ってもらえるようになるんだろう、と悶々としていました。私もよく理解していなくて。プレスって何?チラシを配るの?という状態。
そんな時、PRの会社を経営する女性に知り合えたんですね。約2年間、デザイン会社にいて、モノを生み出すプロになりたいと願いながらも、生み出したものを『知らせる』術を知らなかった。
私はクリエイターのプロにはなれなくても、広く『知らせる』ことのプロにはなれるかもしれない、そんな風に思いました」

イワタ「なるほど。発信のプロに、ですね。」

田上「本格的に『プレス」業に関わりたくて、PR会社に転職をしました。それが26歳の時。でも、飛び込んでよかった。
 大手のPR会社で、クライアントは分野も幅もいろいろです。オンラインゲームに銀行、飲食や、ホテルなど様々。企画から、キャラバン、イベント運営などPR業務全般を習得することができたような気がします。そして気づくと、美容関連のクライアントが増えていました。得意だったんだと思います。
私自身も生涯興味を持てるテーマに関わりたいなと思っていた頃、『オーガニックコスメ」に出会いました。
仕事で体を酷使していた頃、とにかく自然の力で自分をいたわりたくて。それが8、9年くらい前ですね。」

やりたいことは口にする、が信条。不思議と出会いがやってくる。

イワタ「今でこそ、はやりの「オーガニックコスメ」ですが、当時はまだそれほど浸透していなかったですよね。」

田上「そうなんです。ナチュラル、オーガニックって、体には良さそうだけれど効果はあるの?とか、私自身でさえ当時は疑問を持っていましたし、今ほどオシャレなイメージもなかったと思います。
 ただ、心からリラックスできる自然の香りや、作り手の温もりをも感じるようなナチュラルコスメの魅力にすっかり魅了されました。」

イワタ「オーガニックコスメを、ただの『好き』だけじゃなく、仕事として作り出しちゃうところがすごい!」

田上「不思議と、やりたいと思っていると出会いがあるんですよ(笑)
 忙しい毎日でしたが、“いろんな人に会う”ということは心がけていました。興味の持てるイベントや場所にはどんどん出かけていましたね。刺激を受けることができましたし、何より人脈作りがしたかった。
 そんな時、たまたま当時のコスメキッチンの社長と知り合う機会がありました。
 私は、オーガニックコスメに関してはまだ勉強中だけど、こんな風なコスメがあったらいいなという想いはあったんです。そして、これまでのPR経験を活かして役に立てるかもしれない!と想いを伝えたような気がします。やりたいことは口にする、というのが信条だったんです」

イワタ「それで、コスメキッチンに転職されたんですね?」

田上「はい。面接を経て、晴れてコスメキッチンに入社しました。
 ちょうど、ブランドオリジナルのサロンを立ち上げる話があり、そのプロジェクトに関わりました。しばらくして、オリジナルブランドの構想を耳にしました。そこで、『田上、やるか?』と。」

イワタ「遂に!」

田上「はい、遂に!笑 
 もちろん私はこれまでブランドを作ったことはないけれど、それまでの美容の知識と、何よりオーガニックコスメが好きという気持ちで、ふたつ返事で担当することに。
 それが、『エッフェ オーガニック』です」

イワタ「最初は一人ですべてこなしていたんですよね。」

田上「はい、最初は本当に一人。
 コンセプト作りから、実際の製品作りをお願いしている工場とのすり合わせや試作、メディア向けの資料に、店頭のポップ作りまで。なんでもやりました。もう一度やって!と言われても無理かもしれません(笑)
 大変でしたが、ゼロから関わることでモノ作りの流れを知ることができました。プロジェクトをスタートしてから1年半ほどで、デビューしました。」

イワタ「人気のオーガニックコスメブランドとして、すっかり定着していますね。」

田上「最初から、コンセプトイメージが明確にあったんです。都会の女性に向けた、これまでにないオーガニックコスメを作りたいなって。
 ボトルは黒なんですが、最初は社内でも猛反対を受けました。スキンケアといえば、やはりパッケージは白、というイメージが強いと思います。私は、その「黒」という色に洗練感とともに、自分が憧れる女性像を込めたんです。
 黒って、やはり意思のある色ですよね。自信を持って、自分を語れたり仕事ができる女性、そんな“意志ある人”になれたら、という想いが詰まっています」

イワタ「そして、今年の春にデビューした、「セルヴォーク」も大人気ですね!」

田上「はい、この秋セルヴォークのショップもオープンして、たくさんのお客様にお越しいただいています。
 ナチュラル、オーガニックにも興味がなかった人にも手に取ってもらいたい、という想いは変わらずあって。オシャレになれるのに実は肌に優しい、という嬉しい裏切りも楽しんでもらえたらと思っています。」

自分に自信を持つこと、良いと思ったら前に進む

イワタ「ここに至るまでに、苦労もありましたか?」

田上「転職もして、回り道をしたように見えるかもしれないし、自分の至らなさに悔しい思いをしたこともたくさんあります。でも、そこで落ち込んで塞ぎ込むよりも『外に出て人に会って、学ぼう!』という気持ちが強かったですね。
 働くのが全て、ではないともちろん思っています。ただ、自信がある人って素敵だなって私は学生時代から考えていました。どんな仕事をしてるかに関わらず、懸命に仕事をしていれば、ちゃんと人は付いて来るんじゃないかと思うんです。“仕事”は、女性が自信を持てる一つのツールになる気がするんです。」

そう語る田上さんからは、「しなやかさ」と「自信」をたっぷり感じました。
就活ガールには「人は何度でも軌道修正できる。自分に自信を持って前に進もう!」そうエールを送ってくれました。 

最初から自信のある人なんて、なかなかいないはず。だからこそ、自信を持つために、田上さんのようにずっと学び続ける姿勢や、外にアンテナを張ることが大切なのかもしれません。

田上陽子さん

デザイン会社、PR会社を経て、マッシュビューティーラボに入社。オーガニック&ナチュラルビューティーブランド「エッフェ オーガニック」及び「セルヴォーク」ディレクターとして活躍中。

 
 
Celvokeのメイクラインは2017年春夏にデビューして以来、美容ライターさんや人気インスタグラマーに取り上げられ売切続出!あなたも洗練されたオトナのモードメイクで自信のある自分を演出してみてはいかが?