
就活の作文対策はこれで完璧!基本の5ルール・頻出テーマ・書き方

就活試験で出されることの多い作文。
「作文なんて長いこと書いていないし、どんな感じで書いたらいいかわからない」という人も多いのではないでしょうか。
作文は、コツさえつかめば簡単に書くことができます。
今回はそんな就職試験で出される作文の、出やすいテーマ、書く時のポイントと書き方、例文をご紹介します。
目次
作文は小論文とどう違う?
採用試験において作文や小論文の提出を求められることが多いですが、作文と小論文には違いがあることを理解しておきましょう。
作文は自分の体験やあるテーマに対する感想や感情をまとめたものであり、小論文はあるテーマに対し、自分の考えとその根拠を論理的に書くものです。
作文はある程度フリースタイルで書いても問題なく、それよりも書いてある思いやエピソード、言葉づかい、表現力が評価されます。
一方で、小論文は論理的思考をもとに自分の主張をいかにまとめることができているかが評価されます。
なぜ作文を提出する?
一般的に就活では小論文より作文の提出を求められることが多いようです。
これはあなたが書いた文章から、
・どのような文章を書くのか?(性格や人となり)
・どのような字を書くのか?(丁寧さ、細かさ)
・思いや情熱を知りたい
というようなあなた自身がどのような人物なのかを推し量ることを目的としており、そのためには小論文よりも作文の方が適しているからです。
したがって、作文を書く際には
・字が下手でも丁寧に心を込めて書く(字の上手下手ではない)
・自分の思いを整理してアピールする
・尊敬語と謙譲語の使い分け、自然な言い回しに気をつける
などを心がけるとよいでしょう。
作文を書く時の5つのルール
文字制限を守る
作文を書く際にまず守りたいのは、文字数です。
文字数が決められている時は、その文字数を超えないようにしましょう。
どれだけ思いが強くて文章が長くなりそうでも、決められた制限の中で課題をクリアすることは最低限のルールです。
目安としては制限されている文字数の9割を目安とするとよいでしょう。
タイトルと内容を一致させる
次に守らなければいけないのが、タイトルと内容を一致させることです。
読み手はタイトルを見て作文の内容を関心を持ち、推測しながら、本文を読みます。
それなのに、内容がタイトルとかけ離れていたら期待はずれとなってしまい、読み手をがっかりさせることとなります。
例えば「私の将来の夢」というタイトルであれば、文章の最後は具体的な将来の夢の内容を書くことで、読み手はすっきりと文章を読み終えることができます。
段落を作る
文章を書く際には、段落をうまく分けることで読み手が読みやすくなります。
場面や述べたい内容が切り替わるときには、段落を分けましょう。
段落を分けたら、先頭の一文字も空けておきます。
文体を統一する
文体(ですます調、である調)の使い分けも意識して、文章全体で文体を統一するように気をつけてください。小論文であれば「である調」でも問題ないですが、作文の場合は「ですます調」を使いましょう。
一文を長くしすぎない
読み手にスムーズに文章を読んでもらうためには、一文を長くしすぎないことも重要なポイントです。一文は約70文字程度までとすると読みやすくなります。
自分が書いた文章を一度声に出して読んでみると、一文が長すぎないかチェックできます。
文章を読んでいる途中で息継ぎをしないといけなくなったり、一文の最初と最後で内容が矛盾していたら、二文に分けるなどして、相手に伝わりやすい文章に書き直しましょう。
書き方の手順
まずは伝えたいことを決める
作文を書くときには、いきなり書き始めてはいけません。
まずは与えられたテーマから、自分が何をアピールしたいのかを箇条書きにして書き出してみましょう。
そして箇条書きにしたものの中から、それぞれに対して関連するエピソードや出来事を洗い出していきます。
こうして洗いだしたものの中から、あなたが一番伝えたいこと、自分自身の思いや将来の展望、企業にアピールしたいことに近いものを選んでから、書き始めてください。
序論・本論・結論の3部で構成していく
作文は「序論」「本論」「結論」の 3部構成に分けると書きやすいでしょう。
よく「起承転結」と言われますが、起承転結で文章を構成するのはなかなか難しいため、3部構成とするのが無難です。
●序論
まずは今回の作文でアピールしたいことの概要を序論として記述します。
序論で力を入れたいのは書き出しの一文です。
最初の一文でどれだか読み手の興味をひくことができるかが、あとに続く文章を楽しく読んでもらえるかに影響してきます。
例えば
①私は静岡県焼津市に育ちました。
②私は毎日朝市のセリの声を聞いて起床していました。
この2つでは、その後の展開への期待値が大きく異なってきますよね。
序論を書く際には、読み手が読みたくなるような気持ちにさせる最初の一文を、ぜひ工夫してみましょう。
●本論
次に本論にて、序論で示した内容について詳しく書いていきます。
事実の引用とそれに対する自分の意見をはっきりと明示して書くと、読み手は内容の把握が容易になります。
注意したいのは、書きたい内容が多すぎて話が脱線してしまわないようにすることです。
文字数が制限されている場合は、本題のテーマから外れすぎるエピソードは盛り込まないように心がけましょう。
なお本論を完成させるのは最後でも良いかもしれません。
それよりも先に結論(エンディング)を書いてから、本論を肉付けしていくと、全体の流れに統一感を持たせることができます。
●結論
結論では、タイトルや序論で提示した今回の作文のテーマに対する回答を書きましょう。
ざっと序論と結論を読めば言いたいことが伝わるような構成にしておきます。
本論はあくまでもその肉付けであり、骨子は序論と結論でわかりやすくまとめておきます。
また締めの一文を工夫すると、読み手に良い読後感を与えることができます。
①私は、そんな焼津の町の活性化につながるような仕事をしたいと思います。
②10年後、焼津で育ってよかったと思ってくれる子供達が増えていたら嬉しいなと思います。
この場合、①のようにどのような仕事をしたいかという答えを直接書くのもありですが、②のように自分のしたい仕事がどのような成果や効果を生み出すかに触れることで、より大きなビジョンを持っていることが伝わってくるのではないでしょうか。
書くときの注意点
誤字・脱字に注意する
作文を書く際には、誤字脱字がないように繰り返しチェックしましょう。
自分が提出する作品をノーチェックで出すことは、それだけ思いが薄いのではないか?仕事が丁寧ではないのではないか?と判断されてしまっても仕方ありません。
漢字を使いすぎない
作文を書いている際に、書きなれていない人ほど難しい漢字や言い回しをしてしまいがちです。
漢字を使いすぎると、読みにくくなったり、文章がかたい印象になってしまうため、避けた方がよいでしょう。
このように漢字で書ける語句をひらがなにすることを、「漢字を開く」と言い、以下のような漢字はなるべくひらがなとするべきでしょう。
・下さい → ください
・頂きます → いただきます
・更に → さらに
・事 → こと
・物 → もの
・良い → よい(いい)
・後で → あとで
就活試験の作文で出やすいテーマとは?
仕事に対する意欲・姿勢に関するテーマ
就活試験の作文でよくあるテーマとしては、「仕事に対する意欲・姿勢」を問うものが多く出題されています。
・自分にとっての仕事とは
・○年後の私
・私の職業観
・将来の夢や目標
・やってみたい仕事
このように、仕事についてどのように考えているかや、具体的にどのような目標やビジョンを持って仕事に取りかかろうとしているのかを判断するテーマが多く採用されています。
その人の人間性・価値観に関するテーマ
就活試験の作文のテーマとして、あなた自身をより深く知るためのテーマが出題されることもよくあります。
・学生時代に力を入れたこと
・これまでの人生で一番感動したこと
・学生生活で得たもの
・私の家族
・社会人になるに当たって
このようにあなた自身の考え方やこれまでの経験、価値観を問うテーマが出題されます。
自己分析を深く行っておくことで、これらのテーマから、志望動機や将来の夢と関連するような話の展開を作ることができると、より良いアピールができるでしょう。
作文が苦手な人でも文章力を身につける方法
作文がどうしても苦手だけど、なんとか文章力を身につけるにはどうしたらよいでしょうか。
文章力は短期間で身につくものではありませんので、就活を始めたばかりであれば、とにかく本や新聞の社説やコラムを読むようにして、自分の中で読みやすい文章を見つけましょう。
長編の小説などを読む必要はありません。数分で読み終えることができる雑誌や新聞のコラムを読み続けることで、自分の中で正しい文章のリズムや表現の言い回しが身についてきます。
本を読む習慣がついたら、自分の思いを文章にする訓練もしていきましょう。
就活の際に自己分析を行ったら、それを一文でもよいので就活ノートに書き出していきます。
それを繰り返していくことで、自分の思いを頭の中で文章として組み立てていく力を身につけることができます。
そのようにして訓練を重ねたら、就活試験の作文で出題されそうなよくあるテーマについて作文練習を行います。
作文を書く力に近道はなく、いろいろなテーマで作文を書いていくうちに、どのようなテーマが出されてもすらすらと作文が書けるようになるでしょう。
例文を参考にしてみる
作文を書く上で押さえるべきポイントはわかりましたが、いざ書こうとしても書き慣れていないとやはり難しいですよね。
そんな方のために例文を作成しました。
もちろん丸写しや、少し内容を変えただけではダメですが、作文の参考にしてみてください。
「自分にとっての仕事とは?」
私にとって仕事の原点は「祖父の笑顔」です。
国鉄にて機関車や電車の運転手として勤務していた祖父は、40年以上の勤務期間中、ほぼ無遅刻無欠勤だったそうです。
電車の運転手という職業上、遅刻や欠勤することはとても多くの人に迷惑をかけることでありなんとしてでも避けなければけないこと。
その話を聞かせてくれた祖父に「40年も無遅刻無欠勤は大変だったんじゃない?」と私は聞いたことがあります。
すると祖父は「電車が毎日ちゃんと動くから、みんなが安心して生活することができてるんだよ。みんなが元気に仕事したり勉強するためだと思えば、苦労を感じることはないよ」と笑顔で答えてくれました。
私はその時の祖父の笑顔が忘れられません。
いま私は祖父とは違う職業を目指していますが、仕事とは、自分の将来の夢を叶えるためだけのものではなく、社会の誰かに役に立つ行為だと考え、真摯に、そして誠実に取り組んでいきたいと考えています。
まとめ
就活の作文問題は、明確な答えがなく対策しづらいため不安に思う就活生も多いのではないでしょうか。
ですが、だからこそ力を入れるべきポイントであり、あなた自身をアピールする絶好の機会でもあります。
作文が得意な方も苦手な方も、普段から本を読んだり、自分の考えをノートに書き出したりしてみてはいかがでしょうか。
自己分析の機会にもなりますので、積極的にチャレンジしてみることをおすすめします!