就活において、英語力をアピールして選考をスムーズに進めたい就活生は多いのではないでしょうか? せっかく自分が身に付けたスキルがあれば、とにかく就活にはプラスに活用したいと思いますよね。しかし、「英検取得が就活にどれだけの影響力を持つのか」「何級ならアピールしていいのか」と疑問に思うこともあるでしょう。
この記事で英検を上手く活用する方法を知り、あなたの就活を間違いなくプラスの方向に導いていきましょう。
INDEX
英検とは?
そもそも英検とはどういうものでしょう? 英検の正式名称は「実用英語技能検定」で、略して「英検」です。国内においては最大規模の英語検定で、上位から、1級(上級)、準1級、2級、準2級、3級、4級、5級(初級)の7段階があります。
各段階の試験内容は、「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能で測定され、合格・不合格が判定されます。よく、「英検とTOEICは何が違うの?」という疑問を耳にしますが、以下に違いをわかりやすく解説します。
英検 | TOEIC |
資格取得後は生涯有効 | 資格取得後は2年間有効 |
合格or不合格で認定 | スコアで認定 |
試験では、リスニング・スピーキング・リーディング・単語の配点の比重が高い | 試験では、リスニング・リーディング・文法の配点の比重が高い |
英検は日本の試験であるのに対し、TOEICはアメリカ・イギリスで開発された試験です。そのため、世界的な認知度はTOEICの方が勝っているかもしれません。
また、英検を受験する人には受験を控える学生が多く、TOEICは就活前の大学生や転職活動中の社会人の受験が目立つようです。英語力を判断するのにTOEICを基準にしている日本企業が多いという現状もみられます(TOEICについては記事の後半でも触れていきます)。
就活でアピールできる/履歴書に書けるのは何級から?
率直に、就活でアピールできて履歴書に取得資格として書くと良いのは英検何級からなのでしょうか?結論を先に述べますと、就活で活用したい英検は最低2級以上が基本です。つまり、1級・準1級・2級だけということです。英検2級ならおよそ高卒程度の英語力だと判断されますね。
ただ、商社、航空、外資系などの英語を使う企業の場合、英検2級では水準不足とされ、アピールには至らないこともあります。中には社内言語が英語である企業もありますからね。目指す企業によっては、準1級、1級を取得してのアピールが必要でしょう。
就活で英検を活用したい場合の注意点
英検は就活におけるアピール要素のひとつではありますが、「就活に活かせるかどうか」は別です。英検取得を強調したからといって、必ず評価されるとは限らないということです。以下に、就活に英検を活かしたい場合の、知っておくべき注意点を紹介します。
有利になるかは仕事内容次第
果たして英検が有利になるかは、応募する仕事内容次第です。当然、仕事内容によっては英語力は不要で、評価対象にはまったくならない可能性もあります。
仮に、英検1級を取得していたとしても、仕事内容に合致しなければ、ほぼ役には立たないですよね。英検取得までの努力の積み重ねはわかってもらえても、英語力が有利になるかどうかは、仕事内容次第だと覚えておいてください。
低級は逆にマイナスイメージ
英検の低級をアピールすることは、就活においてはマイナスイメージになる可能性があります。英検低級でもアピールすることは自由ですが、逆に「本当にしっかりとした能力が身についているのか?」という不信感をあたえてしまう場合もありますよ。
英検の低級は取得していたとしても、無理にアピールすることはおすすめしません。2級以上に限っては、アピールを十分に考えましょう。
履歴書には正式名称で記入
履歴書で英検をアピールする際には資格欄に記入しますが、気を付けなくてはならないのが「正式名称で記入する」ことです。英検、英検、とよく言いますが、英検は通称ですので、正式名称である「実用英語技能検定」と記入するのが正解です。英検という略称はNG・マナー違反であり、マイナス評価につながるので注意が必要ですよ。
もし英検準1級の取得を履歴書に記入するとすると、「実用英語技能検定 準1級取得」になります。
資格取得までの努力を提示しよう
英検を取得している自体で英語力の程度はわかりますので、プラスαとして「英検資格取得に至るまでのたゆまぬ努力」も提示しましょう。
また、英検にチャレンジしたことをきっかけに、自分の物事への取り組み方や人柄・人間性が成長できたこともアピールすることができます。自己アピールの内容の幅を大きく広げることができますよ。
TOEICの方が評価されやすい
英検とTOEICを比べた場合、同程度のレベルだとしたらTOEICの方が評価につながりやすいでしょう。英検の試験は日常会話に近い出題が多く、準1級・1級だとしてもビジネス英語には及ばない場合があります。一方、TOEICの試験では、ビジネス英語からの出題も多く、より実戦的になります。
英語力のレベル差があまりない場合は、英検よりTOEICの方が評価されやすいと認識しておきましょう。
英検だけでは自己PRの商材としては正直厳しい
英検は自己PRとはなり得ますが、強力なPRができるかというと正直厳しいです。英検はあくまで自己PRできるひとつの要素であり、単体でのアピールとしては弱いと思っておきましょう。
英語力が必要でない企業では評価されないこともある
英語力が求められる企業は増えてはいますが、すべての企業が英語力を重視しているわけではありません。つまり、英語力が必要でない企業では、評価されないことはままあるということです。
企業としては、英語力を求めていないのに英検をアピールされても「大歓迎」とはなりにくいですよね。
英検の難易度は?
英検の難易度は一般的な学校での学習と比較して、どの程度のものなのでしょうか? 就活に活かせる2級以上の難易度レベルを表にまとめました。
級 | レベル | 出題の目安 |
2級 | 高校卒業レベル | 社会性のある英文(医療・テクノロジー)も出題。海外留学や国内の大学入試にとくに役立つ。 |
準1級 | 大学中級レベル | 実践的な英作文問題が出題。「使える英語」としての証明につながる。 |
1級 | 大学上級レベル | 英語の知識力だけでなく、相手に伝える力と対応力も求められる。2次試験にはスピーチと、それに対する質問もあり。 |
就活に間に合う、英検受験のスケジュールとは?
就活に有利になるように英検を取得しようと思ったら、対策と勉強はかなり必要です。就活と同時進行で勉強をスタートしても、英検取得はそう簡単にはいかないでしょう。
面接対策、自己分析、履歴書の準備、就活イベント参加などで、就活は思った以上に忙しくなります。就活でやることが増えてくる前に、ある程度の勉強は進めておくことを強くおすすめしますよ。とにかく英検の勉強は早め早めに取り組んでおくことに越したことはありません。
就活で使えるおすすめの英語の試験8選
英検以外の「就活で使えるおすすめの英語資格」の試験について紹介します。各資格について知っておきたい項目を表にわかりやすくまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
TOEIC
受験料 | 5,300円(税別) |
試験時間 | 2時間(前後に説明や回収の時間有り) |
受験者数 | 約266万人(2018年度) |
試験実施日 | 2019年 6/23 7/28 9/29 10/27 11/24 12/15 2020年 1/12 3/8 以降未定 |
受験地 | 東京・神奈川・千葉・埼玉はほぼ毎年開催 他の過去の開催地例は、水戸、日立、つくば、宇都宮、足利、小山、高崎、前橋 |
試験内容 | リスニング・リーディング |
問い合わせ先 | IIBC試験運営センター 03-5521-6033 |
応募先 | https://www.iibc-global.org/toeic/test/lr/flow/net.html |
特徴 | 英語系の資格としては最も認知度が高い |
難易度 | 取得点数制のため合否の判定はなし |
就活に必要な最低ボーダーライン | 650~700点以上 |
日商ビジネス英語検定試験
受験料 | 1級:7,330円 2級:5,140円 3級:4,120円(各税込) |
試験時間 | 1級:90分 2級:40分 3級:30分 |
受験者数 | 非公開 |
試験実施日 | 1級:2019年10/6 2020年2/16 2級、3級は随時開催 |
受験地 | 全国各都道府県の商工会議所 |
試験内容 | ライティング |
問い合わせ先 | 日本商工会議所 03-5777-8600 |
応募先 | https://www.kentei.ne.jp/english |
特徴 | ライティングに特化した、ビジネスでの提案書、契約書、報告書等の作成や、海外取引の知識が試される |
難易度 | 3級は簡単、2級はTOEIC600点以上レベル(目安)、1級は難しい |
就活に必要な最低ボーダーライン | 1級または2級 |
BULATS(ブラッツ)
受験料 | ライティング、スピーキング、リーディング・リスニングに分かれていて別々またはセットで受験 2,900~11,900円 |
試験時間 | スピーキング:約15~20分 ライティング:約45分 リーディング&リスニング:最大90分間 |
受験者数 | 毎年約500万人 |
試験実施日 | 2019年 8/23 9/28 10/23 11/16 12/7 2020年以降は未定 |
受験地 | 東京 |
試験内容 | ライティング、スピーキング、リーディング&リスニング |
問い合わせ先 | 公益財団法人 日本英語検定協会 Linguaskill Business事務局 03-3266-6366 |
応募先 | https://uketuke.eiken.or.jp/stepbulats/ |
特徴 | ビジネスシーン英語でのコミュニケーションスキルを判定し、広範囲な職種に対応できるようにビジネスに特化した出題 |
難易度 | TOEIC700~800点レベル |
就活に必要な最低ボーダーライン | ライティング、スピーキング、リーディング&リスニング合格 |
国際連合公用語英語検定試験(国連英語)
受験料 | 特A級、A級、B級、C級、D級、E級があり、10,500円~2,700円 |
試験時間 | 特A級・A級・B級:120分 C級・D級:100分 E級80分 |
受験者数 | 未公開 |
試験実施日 | 2019年 10/27(一次) 12/15(二次) 2020年は未定 |
受験地 | 東京・大阪を中心とした全国主要18都市 |
試験内容 | リスニング、リーディング、ライティング、面接 |
問い合わせ先 | 国連英検事務局 03-6228-6831 |
応募先 | https://secure.kokureneiken.jp/apply/preentry |
特徴 | コミュニケーションを重視した英語力を求められ、時事問題・世界情勢についても問われる |
難易度 | 特A級・A級:プロフェッショナルレベル B級以下:スキルアップレベル |
就活に必要な最低ボーダーライン | B級以上 |
TOEFL(トーフル)
受験料 | 会場によって200USドル前後~300USドル |
試験時間 | 3時間 |
受験者数 | 約72万人 |
試験実施日 | 2019年 8/24 8/25 9/1 9/7 9/21 9/22 9/28 10/12 10/13 10/19 10/26 10/27 11/9 11/10 11/16 11/17 12/1 12/7 12/14 12/21 |
受験地 | 全国各都道府県 |
試験内容 | リーディング、リスニング、スピーキング、ライティング |
問い合わせ先 | プロメトリック株式会社 03-6204-9830 |
応募先 | http://www.prometric-jp.com |
特徴 | 英語を知っているよりも、どれだけ使えるかを重視した、実生活でのコミュニケーション能力を判定する |
難易度 | 合否は無くスコア表示 |
就活に必要な最低ボーダーライン | 120点満点中80点 |
IELTS(アイエルツ)
受験料 | 23,500円(税別) |
試験時間 | 200分程度の試験を1日あるいは2日に分けて実施 |
受験者数 | 年間300万人以上 |
試験実施日 | 毎月毎週不定期で開催 |
受験地 | 東京、横浜、札幌、仙台、埼玉、長野、金沢、静岡 |
試験内容 | ライティング、リスニング、リーディング、スピーキング |
問い合わせ先 | 公益財団法人 日本英語検定協会 IELTS公式 東京テストセンター 03-3266-6852 |
応募先 | https://www.eiken.or.jp/ielts/apply/ |
特徴 | アメリカ・イギリス等への英語力証明、カナダ・オーストラリアへの海外移住のために最適な国際通用性が高い試験 |
難易度 | 合否判定がないスコア表示 |
就活に必要な最低ボーダーライン | IELTS6.0以上 |
CASEC(キャセック)
受験料 | 3600円(税込) |
試験時間 | 40分間 |
受験者数 | 17万2千人(2015年) |
試験実施日 | ネット受験のため試験日の指定なし |
受験地 | ネット受験のため試験日の指定なし |
試験内容 | 空所補充・リスニング |
問い合わせ先 | 株式会社教育測定研究所 03-6625-7728 |
応募先 | https://casec.evidus.com/petz/personal/ |
特徴 | ネット上の試験で、短時間で受験可能であり、スコアから英検やTOEICの概ねの級・スコアが算出できる |
難易度 | 合否ではなくスコア判定 |
就活に必要な最低ボーダーライン | CASEC650点以上 |
GTEC(ジーテック)
受験料 | 12,000円(税別) |
試験時間 | 50分間 |
受験者数 | 約126万人(2018年) |
試験実施日 | 2019年 7/21 11/10 2020年 3/22 |
受験地 | 全国主要都市 |
試験内容 | リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング |
問い合わせ先 | GTEC受検者サポートデスク 0120-512-840 |
応募先 | https://www.benesse.co.jp/gtec/general/information/exam_ent.html |
特徴 | 「使える英語」を評価測定するために、話す、聞く、書く、読む、の4技能をスコア検定 |
難易度 | 合否ではなくスコアで採点 |
就活に必要な最低ボーダーライン | GTEC650点以上 |
まとめ
「英検を取得した!」というだけでは、就活を有利に進めるには不十分なようです。自信を持って掲げられるだけの英検の級も必要ですし、目指している会社で英語がどの程度必要なのかも知っておくことも大事ですね。
ただ、英検を持っているっからといって損をすることはありません。アピールの仕方に注意・工夫すれば、どこかの部分で必ずあなたの強みとして活かすことができるでしょう。