内定が決まった就活生の皆様、おめでとうございます。
複数の企業から内定をもらっている方は、行かないと決めた企業に内定辞退の旨を伝えなければなりませんが、「内定辞退届」についてはご存知でしょうか。
今回は、内定を辞退する企業に提出する「内定辞退届」について、提出のマナーや書き方、送り方について解説します。
「内定辞退届」ってなに?
就活を行っていると、内定通知をいただいた企業に内定を断る必要も出てきますよね。
もし内定を辞退するのであれば、電話で連絡をして直接謝罪を伝えるのがマナーとされています。
しかし、電話で伝えたのち、さらに手紙を送ることで、より誠意を伝えることができるのです。
内定辞退届が必要なケースとは
内定辞退を企業に伝えた際、企業によっては「内定辞退届」を提出するように求められます。
その場合はもちろん「内定辞退届」を提出しなければなりません。
なお、何も言われなくても、内定に至るまでお世話になった相手企業への謝罪の気持ちも込めて、内定辞退届を提出することをおすすめします。
気軽に電話やメールで用件を伝える時代となりましたが、このような正式なお断りの挨拶をする場合には、書面でのやりとりを行うことも社会人としてのマナーです。
●特に公務員の場合は必ず内定辞退届を提出しましょう
公務員の内定を辞退する場合は、必ず辞退届の提出が必要になります。
公務員の人手不足は地域に必要な機能を提供できなることにつながりますので、公務員は決められた採用人数を減らせません。
そのために追加募集や補欠合格などをすぐに行わなければならないため、正式に辞退したことを確認するために辞退届の提出が求められます。
公務員の内定を辞退する際には、必ずかつ迅速に辞退届を提出しましょう。
内定辞退届を送るタイミングは?
内定辞退届を出すのは、電話で内定辞退の連絡をした後です。
いきなり内定辞退届を送付するようなことは避け、内定辞退を決めたら、なるべく早く電話にて企業担当者に連絡をしましょう。
電話にて内定辞退の報告をしてから2,3日以内に内定辞退届を投函できると良いでしょう。
内定辞退届を書く時のポイント
内定辞退届は、内定辞退の連絡をすることに加え、内定辞退することへの謝罪やこれまで尽力してくれた関係者への感謝の気持ちを伝えることも目的となります。
従って内定辞退届は、マナー・作法を押さえ、丁寧に作成しましょう。
■基本のルール7つ
内定辞退届は手書きで縦書きにて作成します。
字を書くのが苦手な人も、ゆっくり丁寧に書くことで文面から気持ちが伝わる手紙を書くことができます。
手紙に使う便箋は白色で無地のものを選びましょう。
柄が入っているものは避けた方が無難です。罫線もシンプルなものにしましょう。
ペンは万年筆が理想ですが、使い慣れていない場合はボールペンでも大丈夫です。
色は黒色を選びましょう。
字を間違えたりした際に、修正液で修正してはいけません。面倒でも新しく書き直しましょう。
別の紙に下書きをするなどして、全体の構成や文字の配置をしっかりと確認してから、清書することをおすすめします。
誤字脱字がないよう、書き終わったら必ず確認しましょう。
正式に提出する書類や手紙に誤字脱字があることは失礼にあたります。
もしMicrosoft Wordが使えるのであれば、文章校正機能にて漢字の間違いや言い回しがおかしいところを指摘してくれますので、Wordで下書きをしてみるのも良いでしょう。
内定辞退届では内定辞退の理由を詳細に書く必要はありません。
辞退理由はシンプルにして、感謝や謝罪の言葉をメインにします。
手紙の文量は、全体が便箋一枚にバランスよく収まる程度を目安としましょう。
辞退理由は正直に書きすぎても相手の心象を悪くします。
円満に内定辞退できるように、角が立たない内容となっているか確認しましょう。
内定辞退届の例文
拝啓(1)
〇〇の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。(2)
先日は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。
電話でもお話させていただきましたが、この度、誠に勝手ながら内定を辞退させて
いただきたくご連絡いたしました。最後まで悩みましたが、自身の適性などを考慮した
結果、他の会社への入社を決意いたしました。このような結果となりましたこと、心より
お詫び申し上げます。
また、選考で貴重なお時間を頂いただけでなく、担当の〇〇様には大変お世話に
なりましたこと心より感謝いたします。
末筆ではございますが、貴社ますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。(3)
敬具(1)
平成◯年◯月◯日
〇〇 〇〇(差出人)(4)
〇〇株式会社 人事部 〇〇 〇〇 様 (5)
POINT
■全体の構成
(1)文頭と文末は「拝啓」「敬具」を使いましょう。
(2)文章の始まりには、時候の挨拶を入れます。
時候の挨拶は季節により異なりますので、「◯月 時候の挨拶」で検索するとその季節にあった挨拶文が見つかるでしょう。
(3)末文は「末筆ではございますが、貴社ますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。」で締めるのが一般的です。
(4)後付に、日付と差出人名を書きます。(大学名も書く場合あり)
(5)最後に宛名を記入します。
自分の名前が下になるように配置します。
社名と担当者名は気持ち大きめに書いてください。
内定辞退届の送付マナー
内定辞退届の手紙を作成したら、封筒にいれて郵送します。
この際にもマナーがありますので、参考にしてください。
便箋の入れ方
書き終わった便箋は、三つ折りにして封筒に入れます。
便箋の折り方(三つ折り)と封筒(縦長)への入れ方は以下のとおりです


2.上三分の一を下に折り下げる


3.封筒の裏から見て、手紙の書き出しが右上に来るように入れる


封筒
先ほど伝えたように、封筒は白地で無地のものを用意しましょう。
封筒のサイズは、縦書き用の便箋を三つ折りにして入るサイズを選びます。定形郵便で送ることができる長形サイズが良いでしょう。
また重要な書類を郵送する場合は、二重構造になっている封筒を選ぶと、中身が透けて見えることがないので安心です。
■封筒(表)の書き方
郵便番号と住所、宛名を正確に書きます。(縦書き)
マンション名や会社名などは略さず正式な名称を書いてください。
■封筒(裏)の書き方
封筒の右下に差出人の住所・氏名を書きます。(縦書き)
差出人の左上に送付日も記入すると良いでしょう。
封筒にすべての手紙を入れたら、封をして「〆」を封の部分に書きます。
発送は速達がベスト
手紙(詫び状)は書き終わったらすぐに出すのがベストです。
速達を使うと安心でしょう。
切手
せっかくの手紙が料金不足で相手に届かないことがないようにしましょう。
可能であれば、郵便局の窓口から速達での郵送を依頼するのが安心です。
それが無理な場合には、料金をよく確認して切手を準備してください。
手紙の枚数が多すぎたり、定形サイズ以外の封筒を使うと、料金が変わってしまう可能性がありますので、注意してください。
まとめ
せっかくいただいた内定を断ることは大変心苦しく、内定辞退の連絡はなるべく穏便にすませたくなるものです。
「担当者と直接話をするのが恐い」「怒られたり引き止められたらどうしよう」といった理由から、内定辞退をメールだけですませることはやめましょう。
まずは直接電話をして内定辞退の連絡をしっかりと担当者に伝えます。
その後に改めて内定辞退届を書面にて送付しましょう。
縁がなかったとはいえ、入社することになっていたかもしれない企業への感謝と謝罪の気持ちを、手紙にて伝えてみてはいかがでしょうか。