内定を承諾し、しばらくすると企業から内定者懇親会の案内が届くことがあります。
内定者懇親会では、どんな服装で望むべきか、私服を指定されたときはどうしたらいいのかなど、疑問に思うことも多いですよね。
今回は、そんな内定者のために、内定者懇親会における服装・マナーについて詳しく紹介していきます。
INDEX
そもそも、内定者懇親会はなんでやるの?
内定辞退を防ぐため
内定者に向けて開かれる親睦会を内定者懇親会といいます。
目的のひとつは、内定辞退を防ぎたいということが挙げられるでしょう。
ここ数年は少子化の影響でひとりの学生が複数の内定を獲得することも珍しくありません。
目標採用人数が設定されている中、企業が恐れることは、内定を承諾したにも関わらず辞退されてしまうことです。
せっかくここまで手間暇をかけて選考を重ねてきたというのに、最後の最後で他社に行かれてしまっては、これまでの苦労が水の泡になってしまいます。
そこで企業は内定者に対し、自社社員や他内定者との親睦を深めてもらうことで、不安や疑問を解消してもらい、入社の覚悟をうながす機会を設けようとします。
内定者懇親会も、そんな内定者フォローのひとつです。
参加は必ずしなくてはいけないの?
もし招待状や招待メールに「参加必須」と書かれていたら、説明会や研修を兼ねている可能性が高いので、入社の意志が少しでもあるなら参加しておくべきでしょう。
そうでなければ自由参加と考えられますが、不安解消や企業の雰囲気を知るチャンスなので、できるだけ参加することがおすすめです。
入社後に上司や同僚になる人たちと仲を深めておくことで働きやすくなりますし、有益な情報得られるかもしれません。
失敗しない!内定者懇親会での服装マナー
スーツ指定の場合
スーツが指定されていた場合は、就活と同様リクルートスーツで臨むのが良いでしょう。
他の内定者も、リクルートスーツで臨むことが多いはずです。
少しおしゃれなカラーシャツやカットソーを着たい気持ちもあるかもしれませんが、ここは就活と同様の身だしなみにしましょう。
シャドーストライプなどの爽やかなスーツは、入社後に会社の雰囲気を見て判断する方が安心です。
私服が指定されていた場合
「私服でお越しください」「平服でお越しください」と指定されていた場合は、素直に私服で参加をしましょう。
この場合にスーツで参加をすると、逆にマナーがなってないと判断されてしまう可能性もあります。
ただし、私服だからといって何を着てもよいというわけではありません。
この場合は、清潔感のある”オフィスカジュアル”な服装を選ぶのが無難です。
では、オフィスカジュアルとは一体どんなものでしょうか?以下より紹介していきます。
●トップス
女性の場合、上はきれいめのシャツかブラウスを選びましょう。
明るい白やパステルカラーだと雰囲気も明るく清潔感もあるためおすすめです。
胸元が開きすぎているものやノースリーブのものは避けましょう。
●ボトムス
膝丈くらいの短すぎないフレアスカートや、シックなパンツを選びましょう。
ロングスカートやハーフパンツはカジュアルな印象を与えるため、避けた方が無難です。
●アウター
カジュアルにもクールにも着こなせるテーラードジャケットや、夏場であればカーディガンもおすすめです。
トップスを明るめのカラー、ボトムスをダークなカラーにすると上品にまとまりますよ。
●靴
シンプルなパンプスを選びましょう。サンダルやオープントゥのものはビジネスの場においてはふさわしくありません。
ヒールの高さは3〜5cm程度、季節にあった素材のものを選んでおしゃれ度もワンランクアップさせましょう。
●かばん
書類等の配布があるかもしれないので、A4サイズの資料が入る大きさがおすすめです。
色を靴やベルトと合わせると統一感が出ますよ。
▼こちらの記事でも詳しく解説しています。
私服可・服装自由の場合
こちらに選択肢が委ねられている場合は、本当に困ってしまいますよね。
この場合、スーツでも私服でも、どちらでも構いませんが、判断材料となるのは会場の場所や他の社員の服装です。
社内で行なわれる場合は先輩社員に合わせた服装にし、会場が飲食店やホテルであれば少しラフな格好するなど、状況に応じてどんな服装にするかを判断しましょう。
裏技として、会場の雰囲気によってアウターを変えるという手もあります。
たとえばトップスをきれいめのアンサンブルなどカーディガンスタイルにしておいて、ボトムスと色を合わせたジャケットを別に持っていくのです。
気軽な雰囲気であればカーディガンのまま参加できますし、みんながスーツだった場合にはカーディガンを脱いでジャケットをはおればスーツスタイルに早変わりです。
また、ジャケットとスカートを別色あるいは別素材にしておけば、ジャケット着用でも堅苦しく見えません。
足元は必ずストッキングを着用し、服に合わせて茶系か黒のパンプスを履きましょう。
ヘアスタイルやメイクはあまり凝らない方がいいでしょう。
就活中の身だしなみのキーワードが「清潔感」と「フレッシュさ」なら、内定後の私服のキーワードは「清楚」「控え目」「品の良さ」などです。
派手さや下品さの無い良識あるファッションを心がけましょう。
判断しかねる場合は確認をしよう!
どうしても決められなければ思い切って企業に聞いてみてもいいでしょう。
以下の例文を参考にしてみてください。
件名:内定者懇親会の服装について【○○大学 山田花子】
○○株式会社
人事部
××様
お世話になっております。
貴社より内定を頂いております○○大学の山田花子です。
このたびは内定者懇親会のご連絡をありがとうございました。
もちろん喜んで参加させていただきます。
ただ、当日の服装について迷っております。スーツで伺うべきでしょうか。あるいは私服でも良いのでしょうか。
列席される方々に失礼があってはいけないと思い、思い切ってこのようなメールを差し上げた次第です。
お忙しい中誠に恐縮ですが、ご教示のほど、よろしくお願いいたします。
署名
内定者懇親会で押さえるべきマナーって?
就活と同様の緊張感を持とう
就活を終えているあなたであれば、内定者懇親会でのマナーはそう難しくはありません。
就活時と同様。集合時間に遅れない、緊張感を持って参加することを意識すれば問題ないでしょう。
まれに気が抜けてしまい、遅刻をしてきたり、休憩時間内に戻らないという内定者もいるようです。
自由な時間が多くあった学生とは違い、社会人は限られた時間の中で成果を出さなければなりません。
そのため、時間管理ができるかは厳しく見られています。
気持ちよく入社するためにも、しっかりと気を入れなおしましょう。
また、内定者懇親会ではお酒を含んだ交流会が用意されていることもあります。
お酒が入ることで普段聞きづらいことを聞けたり、仲を縮めやすいというメリットもありますが、ハメをはずしすぎないように注意をしましょう。
内定者が楽しんでくれることは迎える社員の方々も嬉しく思ってくれるはずですが、お酒を飲んだ勢いで先輩社員や役員に迷惑をかけるなんてことがあっては、気まずい雰囲気で入社日を迎えるということになりかねません。
積極的に参加しよう
懇親会では、同期や先輩社員と交流をする機会があるでしょう。
初対面の人とコミュニケーションを取るのが苦手な人もいるかもしれませんが、孤立して周囲に気を遣わせたりしないように、できるだけ多くの人と会話を交わし、その場に溶け込む努力をしましょう。
第一印象はとても重要です。
人見知りをするタイプの人でも、勇気を出していつもより笑顔を意識したり、積極的に話かけたりしてみましょう。
好スタートがきれると、入社後も働きやすいはずですよ。
内定者懇親会はどんなことをするの?
では、内定者懇親会とは一体どんなことをするのでしょうか。
事前に内容を把握して心構えをしておくのも、有意義な時間を過ごすコツです。
会社・事業説明
内定者懇親会では、 企業側から歓迎の言葉や自社の紹介があることが多いです。
入社後のイメージを掴むためにもしっかりと聞き、必要に応じてメモもとりましょう。
自己紹介・スピーチ
内定者懇親会では、自己紹介が求められることが多いです。
懇親会なのであまり堅苦しい挨拶ではなく、笑いや共感を得られる愛され系のネタと、「やる時はやりそうだな」と一目置かれる気合いのアピールを組み合わせると万人受けします。
また、内容よりも話し方の方が大切です。笑顔でハキハキと、好印象な自己紹介を心がけましょう。
初めまして。○○大学××学部の山田花子です。
実は肝心の××は全くの苦手ですが、社交性と人当たりの良さには自信があります。
これを活かして入社後も新しい出会いとたくさんのご縁に恵まれればと思っています。
皆さんの足を引っ張らないように精一杯がんばりますのでよろしくお願いします。
●話題に困ったら・・・
名前やあだ名とその由来について、休日の過ごし方や最近行った場所、最近身の回りに起こったハッピーな出来事など、親しみを感じられる内容を考えてみましょう。
▼詳しくはこちらの記事も参考にしてみてください。
グループワーク
気軽なレクリエーション程度のものがよく盛り込まれるようです。
クイズや抽選会やゲームのこともあれば、チーム対抗戦や何らかの作品作りまで、企業によって内容は様々ですが、いずれも内定者の緊張をほぐし、みんなが仲良くなれるようにと考えられた企画です。
選考とは関係ないので、楽しんで参加しましょう。
食事会
立食形式の自由なスタイルから、ホテルでのコース料理に居酒屋での飲み会など、これも企業によって形式は様々です。
いずれにせよ、食事をしながらだと会話もはずみますから、できるだけ多くの人と交流するように心がけましょう。
先輩社員の方々との交流会
先輩社員への質問タイムや交流時間を設けている企業もあります。
選考では聞けなかったリアルな質問ができる絶好のチャンスですが、「若く見えたから先輩かと思ってしゃべってたら役員だった…」などの失敗が無いように、特にフリータイム形式の時は相手のポジションをしっかり見きわめてから会話をスタートさせましょう。
事前にどんなことを聞きたいか、考えておくと良いかもしれません。
内定者懇親会の案内メールが来たら
返信は24時間以内にしよう
懇親会の案内メールを受け取ると、色々と迷いが生じるかもしれません。
ですが企業側は会場や食事やレクリエーションの手配をする都合上、できるだけ早く出席人数を把握したいと考えているはずです。
ビジネスメールの基本ルールを守り、受信から24時間以内に返信しましょう。
件名【内定者懇親会出席の(あるいは欠席の)ご連絡(○○大学 山田花子)】
○○株式会社
人事部
××様
お世話になっております。
貴社より内定を頂いております○○大学の山田花子です。
このたびは内定者懇親会のご連絡をありがとうございました。
①参加の場合
ぜひとも参加させていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
当日を心より楽しみにしております。
②不参加の場合
大変申し訳ありませんが、当日は予定が重なってしまい、どうしても伺うことができません。
誠に残念ですが欠席とさせていただきます。
せっかくお誘いいただきましたのに申し訳ありません。
ご案内ありがとうございました。
③すぐに返信ができない場合
ぜひとも参加させていただきたいと考えておりますが、予定を調整させていただきたく、
●日迄に改めてご連絡を差し上げます。
お手数おかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。
署名
まとめ
懇親会の案内を見て気が重くなる人もいるかもしれません。
まだ正式な一員でもない企業のイベントで、ほとんど面識のない人たちに囲まれるのですから無理もないことです。
しかし、ここは発想を転換してポジティブに考えましょう。
おそらく内定者が抱える最大の不安は、「本当にこの企業に入社していいのか」というものではないでしょうか。
その点、内定者懇親会に参加すれば、内定先の雰囲気を知ったり、入社後の仕事内容や待遇について具体的な情報を得たりすることができます。
もちろん、のちに同期となるかもしれない内定者同士のつながりもできるでしょうし、先輩社員や上司になる人との人間関係にも進展があるでしょう。
そうした中から迷いに対する答えが得られるかもしれませんよ。
常識的に考えて、内定まで来てしまったら、もう辞退できる時間的猶予はあまりありません。
入社にしろ、辞退にしろ、思い切って決断をする上で、内定者懇親会への参加はとても役に立つはずですよ。