「自分の長所は「思いやり」で自己PRを書こうと思ったものの、どのように書いていいかわからない。という就活生も多いのではないでしょうか。
今回は、「思いやり」を自己PRにする場合の、良い自己PRの書き方を紹介します。
「思いやり」は曖昧な言葉
自己PRを考える時、思いやりのある人間であることをアピールしたいと考える人も多いようです。
しかし「思いやり」だけでは曖昧であり、企業にアピールするには少しインパクトが薄いと思われます。
「思いやり」をアピールするのであれば、具体的にどのようなことなのかを説明してみると良いでしょう。
思いやりを具体的に表してみよう
思いやりを表現する時、思いやりという言葉を使う必要はないかもしれません。
別の言い方に変更してみると、より具体的な思いやりアピールができるでしょう。
思いやりの同義語2:人の苦しみへの理解や同情
思いやりの同義語3:人の痛みを理解し、なんとかしてあげたいという気持ち
思いやりの同義語4:他人の気持ちを察して優しく配慮する
思いやりの同義語5:相手の意見を理解する、同意する
これらの同義語から思いつくエピソードを探してみると、良い思いやりエピソードが見つかるかもしれません。
・怪我をした友人の勉強を手伝った
・毎日アルバイト先に来るお客様に話しかけてみたら、悩み相談をされて、仲良くなれた
などといったエピソードが見つかると、具体的な思いやりアピールができるでしょう。
ひとりよがりな思いやりになってない?
思いやりといっても、一方的な押し付けや自己満足になっている可能性があります。
そこに気付かずに思いやりアピールをしてしまうと、かえってマイナス評価になってしまいます。
・その助けが相手のためになっていない
・相手が必要ないのに、自分の善意を押し付けている
というような行動になっていないか注意しましょう。
自己PRの書き方
自己PRの基本構成
自己PRの基本構成は
・エピソード
・就職に活用できること
という順番で書きましょう。
自己PRに限ったことではありませんが、就活で小論文や長文のアピール文を書いたり面接でアピールをする際には、まずは結論を述べることが大切です。
最初に結論を述べることで、相手は話の内容を理解しやすくなります。
逆に結論が不明瞭のまま話が進んでしまうと、相手は話がどこに向かっているのか分からなくなり、理解がなかなか進まなくなります。
まずは結論から
自己PRの書き出しは結論から始めましょう。
この結論が読み手の興味をひくものだと、「続きを読みたい!」という読み手のモチベーションが上がるため、高評価につながりやすくなります。
キャッチコピーを考えるつもりで書き出しを考えると良いでしょう。
・右手首を骨折した同級生と築いた30日間の友情
・祖父の介護で見つけた「ありがとう」
・何気ない一言に隠された感謝の気持ち
エピソードは具体的に
結論を書いたら、次にその結論に至ることになった具体的なエピソードについて紹介します。
・右手を骨折してノートをとることができなくなった同級生の代わりにノートをとってあげたことで、強い友情が生まれ、今では大親友になった
・祖父の介護の手伝いを始めることで、祖父と触れ合う時間が増え、これまで知らなかった祖父のことをたくさん知ることができ、最後には祖父への感謝でいっぱいになった
・アルバイト先のお客様からある日突然お礼を言われた。こちらは何気なく行っていたことが、お客様にとってはとても嬉しい出来事だった
エピソードの中に実際にかけてもらった誰かからの感謝の言葉や、具体的にどのような結果が生まれたのかを紹介すると、エピソードに厚みが生まれるでしょう。
就職後の活用法は?
エピソードの紹介の次に、このエピソードによって得られたこと、学んだこと、就職後にどのように活かせるかについて自分の意見を述べます。
単にいい話を紹介して終わるのではなく、就活生として、自分が企業にどのように貢献できるかなどと絡めてアピールができるよう工夫してみましょう。
・同僚が困っていたら一緒に寄り添ってあげて、無事仕事を完遂できるように共に助け合える社員になりたい
・同僚やお客様の話をじっくり聞いて、その人の良さや思いを汲み取り、それを商品開発や職場環境の改善につなげられる人材になりたい
・細やかな気配りを忘れず、お客様の立場に立った接客ができるスタッフになりたい
他人と差をつけるポイント
思いやりエピソードでアピールしたい長所は、面接でよく質問されること(志望動機、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)、自分の長所はなんですか?)に対する回答でも触れると一貫性が出てきます。
たくさんの長所をアピールすることも大切ですが、いろいろな角度から1つの長所についてアピールすることで、その長所についての説得力を上げることができます。
例文
私は高校生時代に右手首を骨折した同級生の助けてあげたことで、今では大親友と呼べる友達を手に入れることができました。
彼は部活中に右手首を骨折してしまい一ヶ月ほど授業のノートをとることができなくなってしまいました。
そこで隣の席であった私が代わりにノートをとってあげるようになり、そこから彼とたくさん話をするようになったのです。
成績は彼のほうが優秀であったため、ノートをとりつつも私が分からない内容について教えてもらったりなどして、お互いに感謝をしながら友情を深めることができました。
これから社会人になるにあたり、自分一人では仕事をこなすことはできないでしょう。もし同僚が仕事で困っていたら一緒に寄り添って支え、会社として無事仕事を終わらせることができるよう支え合える社員になりたいと思います。
長所を「思いやり」にする場合の注意点
面接前後の態度に気をつけよう
選考試験は面接会場だけで行われているのではありません。
最寄駅から会場に向かうまでの途中で面接官や社員とすれ違うことは十分に考えられます。
また面接が始まるまでの待機場所での態度も実はしっかりと見られています。
面接時に思いやりアピールをしているのに、実際には会場の外に出たらそんなことはなかった、と思われてしまったら台無しです。
普段から気をつけることはもちろんのことですが、面接当日は朝から誰かに見られている心づもりで慎重に行動しましょう。
ガクチカなどのエピソードにも気をつけよう
思いやりエピソードをアピールするのであれば、他のエピソードにも矛盾がないように気をつけましょう。
思いやりアピールをしているのに、一方では自己主張が激しく、相手のことを配慮しないようなエピソードを紹介されたら、信憑性がなくなってしまいます。
まとめ
自分の思いやりエピソードをアピールするのは、簡単のように見えて難しいものです。
思いやりではなく、さらに具体的な行動に落とし込んでアピールを行うことで、企業側に伝わる「思いやりエピソード」をアピールできるでしょう。